P-MODEL全(ではないが大体)アルバム感想

ソロ編で思ったより時間を費やしてしまったので書ききれるかどうかわからないが手短に。

最初に断りを。ここで聴いているアルバムはほぼ亞種音版です(結局亞は閉じたのか開いたままなのかどっちにすりゃええの)。

1.IN A MODEL ROOM(1979)

最初に見たびじつかんの映像の衝撃と言ったら。即画面を閉じたのであった。ソロを認識してから再度映像を見直したが中々同一人物と思えなかった。今では大好きなアルバムになったが。ダサさと気持ち悪さ70パーセント、残りのかっこよさ30パーセントがとても良いのだ。ライブ音源を聞くと楽しげに観客が踊っているようだが、よくこの曲で踊れたなと。鬼気迫る物があって怖い。当時よくもこれをテクノ「ポップ」と呼べた物だと思う。

平沢作詞曲で血が頻出するのがマンドレイク時代の名残っぽい。

びじつかんは一聴するとストーカー曲だが、今は自分の殻に篭ってしまった人を助ける歌だと思って聴いている。この曲が無いと始まらない。ヒラサワの根幹。NO ROOM。

びじつかんの鼻すすり、MOMOの咳払いを消していない所にヒラサワの曲作りの精神を伺える気がする。びじつかんの佐久間さんの手が入っていると思われるシングル版、DROPSに収録されているバージョンではその音は消されている(というか普通は消すよな)。

ここまで書いといてナンだがびじつかんのことしか言って無い気が。多くなってしまったので次に行く。

好き度:★★★★★★(これが原点。必聴)

2.LANDSALE(1980)

不気味な曲調と、ニューウェーブであるウルトラヴォックスの引用で始まった、早くもテクノポップと呼ばれる事への反抗を始めたアルバム。

25万枚のプラチナディスクでP-史上一番の売り上げだそうだが、歌詞が恋愛方面に偏ったせいか不気味さが増している気がする。何故売れた。時代か。

ミサイルの還弦には驚いたが、「ラブ」ストーリーの笑い声が最高で是非そちらをリメイクしてほしかった。無理か。

個人的にマンドレイクの後にI AM ONLY~を聞くと自分のミーハー心が戒められる心地がする。どうでもいいですね。

このアルバムには合っていると思うが秋山曲がやっぱり苦手。

不気味に始まり不気味に終わる。全然ポップじゃない。

好き度:★★(曲によっては最高)

3.POTPOURRI(1981)

P-の中で一番好きなアルバム。かと言ってファンの中でこれが好きと言う人とはあまり友達になりたくないかもしれない。3人でレコーディングしたというシンプルな構成。溺れたりヨーデルしたりの自由さが羨ましい。最初はディファレントアナザーに度肝を抜かれた。常々アイスで100年生きたくなる。素敵な曲をありがとう(笑)。

ライブ音源もこの頃が一番好きだ。鬱屈具合とパンクとロックの狭間が。

P-の中で一番好きな曲がこのアルバムの中の2曲、いまわしとpotpourri。この曲を歌った人が現在60過ぎ、先を走ってくれていることを希望にしている。

好き度:★★★★★★★(離れられない名盤)

4.Persepective(1982)

音と歌い方の不安定さ、ファンの中では最もP-らしい名盤の様だが良いと思えるまで2年位かかった。今ではポプリの次くらいに好き(1枚目と同点位)。一聴ではわかりにくいがやはりテーマはディスコミュニケーションだからだ。パースペクティブのライブ版がとても好きだ。

ライブの盛り上げ役ソリッドエアーはここでは空虚さと間抜けさが目立つ(カラオケで歌うと拍子抜けします)。ヒラサワには70になってもシャウトしてもらいたいが無理な話か。

他、愛しての叫び(本心?)といつまで経っても口が回ってない列車(ヴァーチュアルライブ参照)、不思議な空間ののこりぎりぎり(レコード版の方)が特に好きだ。

好き度:★★★★★★(これがP-らしさ)

5.ANOTHER GAME(1984)

一番の理解者である田中さんが抜けた後の1枚。曲調はパースペクティブとそう変わらないように思えるが余裕が無くなった様な感じ。一曲目の語りが中々曲者でアルバム通して好きかと言われるとちょっと下に置いてしまう。

シベリアはライブの方法編も好きだが、オランダは最後のらーらーがリフレインになっているのがあまり好きではない。歌声は全盛期なのだが。

フルヘはシャッフルでいきなりかかると危険。よく収録アルバムをパースペクティブと間違えてしまう。ライブは笑えるが超かっこいいのだ。昨年念願の手拍子が出来て嬉しかった。

珍しいカバー曲BIKEが面白いし聴き所はまだまだ多そう。あらためて聞き込みたい。

エコーズが結構好きだ。ポプリと同様カーニバルで終わる(祭囃子)。

 好き度:★★★★(慣れるまであと一歩)

6.SCUBA(1984)

後追いファンが一度は手に入れたいカセットブック。私はいまだに入手できていない。

ほぼソロ作だが流れ上P-の方に入れておく。

このアルバムが後のヒラサワの転換点になった。美しい曲を歌わせるきっかけとなった神尾さんに感謝である。ちなみにフィッシュソングはカセット版でもリサイクル版でもソロ版でも無いライブ版が好きだ。

フローズンビーチはデトネーターミックスのリサイクル版が至高。

他、七節男が歌詞、アレンジ共に面白くて好き。オハヨウ2は希望を感じさせる歌詞の美しい曲になった。BOATが後にああいう風にリメイクされるとは思わなんだ。

 好き度:★★(原曲はまだ歌い方に力が入り過ぎている感じ)

7.KARKADOR(1985)

解凍までの2枚はあまり好きではない。横川さん曲はなんだかオサレ過ぎる感じがして個人的には面白味がもっと欲しい。が、表題曲のカルカドルやサイボーグ、リークなど名曲も多いのがこのアルバム。

ライブではオルガン山のシャウトがたまらない。

好き度:★★(名曲は多いが通しで聞くとこんな感じ)

8.ONE PATTERN(1986)

引き続きヒラサワの声の熱も落ち着きちょっと地味なアルバム。ライブはこの頃結構楽しそうなのだが。ライブの方法、還弦など後のリメイクで名曲っぷりを発揮している。ヒラサワの後継者と呼ばれていたテルヲさん歌唱版のサンパリーツも良いものだ。

好き度:★★(リメイク版の方がよく聞いてしまう)

9.P-MODEL(1992)

ソロを経てテクノ回帰。私が初めてP-で入手したのがこのCDだった。スピチューやワイアセルフのいつものヒラサワ路線と、2Dやラボのことぶきが関わったピコピコ路線が良いバランス。文句なしの名盤。アミーゴだけは古くさく感じてしまうが。

CDケースの歌詞と3分待つNO ROOMの入れ方が心憎い。できれば単体CDも手に入れたい所だ。

この頃のライブに行きたかった。

好き度:★★★★(名盤だが最初に聴きすぎたので現在はこの位)

10.Big body(1993)

前作の路線を踏襲しつつさらに個性が増し、とっつきやすさは薄れたか。時間等曲率とか幼形成熟とか。

ビッグアイと地味にバイナリゴーストの笑い声が好き。

バーニングブレインはとばしてしまいます。ごめんなさい。いちいち書かなくてもいいか。

好き度:★★(前作に比べると通しでは聞かないかも)

11.舟(1995)

小西和尚が加入してからの1枚。和的な音が入ったがどうも古臭く感じてしまう。ヒラサワに夢見る力にという普通の曲(歌詞はいつものだが)を歌わせたという意味では偉大なアルバム。

中ではSaksitやソリトンの疾走感ある曲が好き。

亞種音では同梱されているシングル・ロケシューが名曲。何故アルバムに収録されなかったのか。企画があったからか。その頃のライブは面白そうだったので、DVD化してほしいのだが。

先駆けて発売されたというリミックス版は1曲聞いてしまいこんでありますが、今もう一度聞けば良さがわかるだろうか。後10年くらい寝かせそう。

好き度:★★(10年後に聞いたら味わい深いかも)

12.電子悲劇/~ENOLA(1997)

福間さんの曲が加わり、現代的な電子音でかっこよさが増した。ASHURA CLOCKが白眉。

アローンを逆さまにした孤独の病。テーマは変わらず。

高音が好きなのでBlack in Whiteがベストなのだが、ライブでは口パク疑惑が尽きない(私的に)。目の前で歌ってくれる券が発行されたら、この曲を歌ってもらう。それともウィキに書いてある半音あげてというのは加工してあるという事なのだろうか。そうだったらごめんなさい。

シングルカップリングのばだだもたまらない。

ENOLAはライブで映える曲。いつも圧倒される。そしてどこかに帰りたくなる。

好き度:★★(1曲1曲は好きだがアルバム通すとマンネリかも)

13.音楽産業廃棄物(1999)

改訂期の一つの完成形を見た。静動バランスの良いアルバムだと思う。テクノ民謡・論理空軍、回収船が特に好き。応援歌・ダストイドで幕。

この頃知っていればギリギリライブに行けた可能性があるのが悔やまれる。もうP-MODELを生で見る事はかなわないのだろうか。

好き度:★★★★(バランスが一番良い名盤)

→プレイリスト30に続きたいが眠いのでどうなるか